はじめに
Obsidian、Cursor、Zettelkastenという3つのツール手法の組み合わせで、従来の情報管理と執筆の概念を超えた、新しい知的生産の形を作る。
本記事では、これらのツールの特徴と、それらを組み合わせることで実現できる知的生産の革新について解説する。
Zettelkasten:知識の有機的な成長を促すノート術
Zettelkasten(ツェッテルカステン)は、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが実践した、カード式のノート術。その特徴は以下の通り。
- ワンカードワンアイデア:1つのノートに1つのアイデアを記述する
- ノート同士をリンクさせて知識のネットワークを構築する
- 時間が経っても参照・発展できる体系的な情報管理
この手法は、単なる情報の保管ではなく、知識の有機的な成長と創造を促す「第二の脳」として形成していく。
Obsidian:デジタル時代のZettelkasten実現ツール
Obsidianは、Zettelkastenをデジタル上で実現するための強力なツール。
- Markdownベースのノート管理
- ノート間の双方向リンク機能
- グラフビューによる知識の可視化
- 豊富なプラグインによる機能拡張
特に、Excalidrawプラグインを活用した「Visual Zettelkasten」は、視覚的な思考と知識の構造化を可能にする: - 図解による思考の整理
- 視覚ノートから永久ノートへの変換
- 知識のネットワーク化と発見
Cursor:AIを活用した執筆環境の革新
Cursorは、通常のObsidianの執筆環境にAIを組み込める。
- AIによる自律的な情報探索と整理
- 複数ファイルを横断した自動処理
- 文章の推敲と改善のサポート
なぜObsidianとCursorを併用するのか?
Obsidian はローカル保存の Markdown ベースな知識管理プラットフォームであり、Cursor は AI 駆動のコードエディタとして、大規模言語モデル(LLM)を活用したコンテキスト検索や文章生成機能を持ち合わせている。
これらを併用することで、Obsidian の双方向リンクによる知識ネットワークと Cursor の AI ベースの意味検索・生成機能が融合し、自分専用の「第二の脳」が実現!!Vault 全体を RAG(Retrieval-Augmented Generation)システムとして扱うことで、自然言語クエリに対し即時に Vault から関連情報を引き出し、要約・補完・リライトを行えるため、アイデア発見から執筆・コーディングまで一気通貫のワークフローが可能になる。
要は、自分の考えたノートを一々アップロードしなくても、ローカルのファイルをAIが見てくれる。意味的な検索もしてくれて、とても便利。
なぜNotionではなくObsidianを選ぶのか?
Obsidianの他にも、Notionというサービスがあるが、Notionじゃ駄目なのか?
Cursorを使うなら駄目だろう。
理由①:Obsidian はノートをすべてローカルに保存し、ネットワーク接続なしで動作する。これにより、インターネット接続不良時も作業可能で、データの所在を完全にコントロールできる。Cursorはローカルファイルを読み込むので、ローカルでメモを書けるObsidianはCursorと相性が良い。
理由②:Markdown 形式の採用
Obsidian は純正の Markdown を基盤とするため、他ツールやプラットフォームにデータを移行しやすく、将来の可搬性が高いです。標準フォーマットのため、ベンダーロックインも回避できます
MarkdownだとAIにとって何が良いの?
理由①:プレーンテキストによる互換性
Markdown は余分なメタデータやバイナリを含まない純粋なテキスト形式であるため、自然言語処理(NLP)ライブラリやトークナイザー(文章を単語へ分解する)への入力としてそのまま利用できる。
理由②:構造化と階層情報の保持
見出し(#)や箇条書き(-)など Markdown の文法構造は、文書の論理構造やセマンティックな階層を明示的に示すため、AI による要約やトピック抽出で高い精度を実現します
ObsidianとCursorを併用する方法
①Obsidian Vault を直接 Cursor で開く
②Community Plugin「Cursor Bridge」を使う
其々のアプリをダウンロードする過程は省略。公式サイトに行こう。


併用するメリット
メリット①Vault 全体の AI 検索
Cursorを使うと、Vaultをローカル検索を超えた意味的検索が可能になる
②高度なコンテキスト理解
大規模言語モデル(gpt-4o など)を用い、Vault 内の関連情報を参照しながら自然言語で応答できる
③時間短縮
過去の類似質問やメモを元に即時回答を生成し、メール返信やドキュメント作成に要する時間を大幅に削減可能
④アイデア発見
Vault 内リンクやメタデータを解析し、関連ノートや潜在的アイデアを教えてくれる
⑤執筆支援
ライター向けには、書いた文章の分かりにくい部分をリライト・続きの生成ができる
⑥コーディングとの連携
ノートのコードスニペットを Cursor で直接実行・修正し、知識ベースと実装を同一環境で管理できる
AIの出力のコピーではなく、自分で書いた要約や読書メモが豊富に蓄積されフォルダを、AIにとって読みやすい形式で整理する。そうすると、書き手が書いたことを忘れたメモを掘り出してきたり、今開いているメモと類似したカードを検索してもらうなど、自分だけではできない書き方ができる。
使用例
この動画の冒頭にObsidianとCursorを併用している場面がある。
AIを使う場面分けについての話だ。
Step①情報を仕入れる
先ずFeloで簡単に調べてみる。もう一段階深いリサーチをするときは、Grokを使う。さらに深いリサーチをしたいときは、GPTのdeep researchを使う。要点は、deep researchを使うまでに調べたいものの固有名詞を知っておくこと。そうしないと探索がぶれてしまう。ここまでで得た記事などを正確に要約したいときはNotebookLMを使う。Felo, Grok, gptなどのリサーチ結果をNotionに保存したり、コピペしてNotebookLMに貼る。
例えば、Xから「AIの利用に関する安全性に関して、有益なポストをしている投稿を教えてください」でリサーチする。そこで出たポストの投稿主が大抵メディアで発信しているので、メディアのニュースレターを収集して纏める。
Step②情報を整理する
Cursorをdocumentationに活用する。Obsidianに検索で見つけた情報をローカルの環境に保存する。保存後、保存したそのデータをCursorの文脈として活用する。
Step③ ①と②で集めた情報を出力する
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