こんな生活も悪くないよな… 映画紹介「丘の上の本屋さん」

映画film

アイキャッチ画像は公式サイトからの引用です。https://mimosafilms.com/honya/aboutthemovie.html

あらすじ

イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。店主リベロは、ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛け、好奇心旺盛なエシエンを気に入ってコミックから長編大作まで次々と店の本を貸し与えていく。リベロが語る読書の素晴らしさに熱心に耳を傾けるエシエン。感想を語り合ううちに、いつしか2人は友情で結ばれていく…。
引用元(丘の上の本屋さん公式サイト):https://mimosafilms.com/honya/aboutthemovie.html

年齢や国籍の違いを超え、”本”を通して老人と少年が交流するハートウォーミングな物語

イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。訪れる風変りな客たちを温かく迎え入れるリベロの店は街のちょっとしたオアシス的な存在でもある。ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛けたリベロは、好奇心旺盛なエシエンに、コミックから児童文学、中編小説、長編大作、さらに専門書まで次々と店の本を貸し与えていく。エシエンから感想を聞きながら、様々な知識やものの見方や考え方など、リベロはジャンルを超えて叡智を授ける。そしてイタリア語で「自由(Libero)」を意味する自身の名の通り、エシエンに自由であること、誰もが幸せになる権利を持つことを伝えていくのだった。
引用元(丘の上の本屋さん公式サイト):https://mimosafilms.com/honya/aboutthemovie.html

“イタリアの最も美しい村”の絶景と、古書店に集まる心優しく個性的な人々

物語の舞台となる “イタリアの最も美しい村”のひとつ、チヴィテッラ・デル・トロントの息をのむ絶景や、石造りの歴史ある街並みを味わえるのも本作の大きな魅力。リベロとエシエンの交流を軸に、古書店に集まってくるユーモラスで個性あふれる人々、繰り返される日々の暮らし、小さな幸福は愛おしく観る者の心に染みこむ。そして人生を豊かに形づくるヒントが詰まったリベロの「幸せのブックリスト」は観客の知的好奇心を刺激する。リベロ役のレモ・ジローネは、『フォードvsフェラーリ』(19)、『我が名はヴェンデッタ』(22)など映画や舞台、テレビなど幅広く活躍してきた大ベテラン。本作の製作にはユニセフ・イタリアが共同製作として参加している。
引用元(丘の上の本屋さん公式サイト):https://mimosafilms.com/honya/aboutthemovie.html

イタリア語版公式映像
https://www.youtube.com/watch?v=BgJACOAsGOU&embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Ftoscanajiyujizai.com%2F&source_ve_path=MjM4NTE&themeRefresh=1

感想

 この映画は、私の心を強く動かしたわけではない。物語り方が劇的な訳でもなかった。物語は、盛り上がりもなく、淡々とした古本屋の日常を描いているだけだった。
 しかし、この映画には、暖かな日差しと細やかな人情が溢れていた。心が疲れているときに見るには良い映画だ。人の平穏な日常を垣間見るような感覚で、決して駄作ではない。
 勧善懲悪モノや教訓を教えるような、学校で流せる映画だ。この映画は、公式サイトによると、イタリア・ユニセフ共同制作らしい。そう聞けば、この映画が、エロもグロもなく、何処の家族でも気兼ねなく見れる作品であることに納得だ。たまにはそういうのも悪くない。劇的さばかりを求めると、映画を見る姿勢も、私も、単調に堕するかもしれない。だから、たまにはこういうどこの家族でもみんなで見れるような映画を見よう。
 この映画は、イタリア語での会話をメインに進んでいく。字幕版で見たところ、私はイタリア語は門外漢なので、簡単な挨拶くらいしか聞き取れなかった。劇中で出てくる本も全てイタリア語に翻訳されたものだ。店主リベロが少年エシエンに貸すのも、イタリア語の本だった。
 古本屋に来る人は、エシエンだけではない。色々な人が、本棚のある本を買っていったり、探している本があるかどうかを尋ねにくる。この色々な人がランダムに古本屋に来るから、映画が単調にならず、視聴者を飽きさせない機能を果たしている。

BookList

店主のリベロが、少年エシエンに貸した本のブックリスト(邦訳)。公式サイトを参照した。

①「ピノッキオの冒険」
著:カルロ・コッローディ
訳:杉浦明平
発行:岩波書店(2000年
名前は知っているが一度も読んでいない。

②「イソップ寓話集」
著:イソップ
訳:中務哲郎
発行:岩波書店(1999年)
未読。

③愛蔵版「星の王子さま」
著:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
訳:内藤濯
発行:岩波書店(2000年)
フランス語で最初の数段落だけ読んで放置している。

④「白鯨」(上・中・下)
著:ハーマン・メルヴィル
訳:八木敏雄
発行:岩波書店(2004年)
長すぎて読む気になれない。鯨の記述が長いことだけは知っている。

⑤「新装版 新訳 アンクル・トムの小屋」
著:ハリエット・ビーチャー・ストウ
訳:小林憲二
発行:明石書店(2017年)
世界史の教科書で見たことがある。しかし、未読。面白いのか?

⑥「白い牙」
著:ジャック・ロンドン
訳:深町眞理子
発行:光文社(2009年)
聞いたこともなかった本だ。これは次読んでみたい。

⑦「ロビンソン・クルーソー」
著:ダニエル・デフォー
訳:鈴木恵
発行:新潮文庫刊(2019年)
英語の原文で読みたい。

⑧「ドン・キホーテ」
著:ミゲル・デ・セルバンテス
訳: 牛島信明
発行:岩波書店(2000年)
コーランよりも本が売れているとてつもない名著。英語で読みたい。

 公式サイトには上記の8冊しか記載がないが、これらに加えて、シュヴァイツァーの伝記と、世界人権宣言もあった。
 シュヴァイツァーの書いたバッハに関する伝記が手元にある。医師でありながらも医者であったシュヴァイツァーはまさにpolymathだろう。
 世界人権宣言が最後に出てきたのは、ユニセフが映画製作にかかわっているからだろう。しかし、これが非常に重要なことに変わりはない。
 他の本よりも、世界人権宣言こそ読むべきなのかもしれない。例え幾ら理想主義的だったとしても。

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